こちらミクモ探偵事務所5



自室に戻る。
ドアを開けると、なぜか紘哉のチョコの箱を開けようとしている恵一がいた。

紘哉は彼の頭をひっぱたき、テーブルにボイスレコーダーと《宝箱》を置く。

そしてその場に座り、遠い目をした。

「すっかり忘れてたんだけどさ」

「何?」

「俺らって、信夫さんの麻薬密売を調べるためにここに来たんだよな」

「言われてみれば、そうだった!」

恵一も思い出したように手を叩く。
もう呆れることしかできない。

「二人して、本来の目的を忘れるとか最低だな」

「多分、羽兎さんも忘れてると思うから三人だよ」

「人数の問題じゃねぇよ」

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