こちらミクモ探偵事務所5
もう何も言いたくない。
「あー、でもさ、一応頭の中でまとめてるんだぜ?」
「……そうか」
「うん。だから、明日はたぶん大丈夫だ!」
「……」
恵一の大丈夫はアテにならない。
段々と、彼を見る目が冷たくなっていく。
恵一は、慌てたように手を振った。
「マジマジ!あ、今犯人分かった!」
「……」
「サイレンサーを知ってて、尚且つ中村さんに恨みを持つような人って、あの人しかいないべ!」
「…………」
「あのさ、何か喋ろう?怖いよ!」
「……知らん」
本当にこんなので大丈夫なのだろうか。
楽観的に笑う恵一を、険しい顔で見つめる紘哉だった。