こちらミクモ探偵事務所5

「じゃあ、あの23時40分の銃声は何だったの?」

千尋が恵一に詰め寄る。
彼はポケットからMDを取り出した。

「これです。銃声が入っているMDです。
おじさんの部屋のコンポから発見されました」

「なっ……!」

信夫が目を白黒させる。
恵一は得意気に笑った。

「恐らく、これが捜査を撹乱させる為のトリックだったのでしょう」

「っ……」

悔しそうに顔を歪め、そっぽを向く信夫。
恵一は紘哉の方を向き、ニカッと笑った。

「どうよ?俺すごくない?カッコよくない?」

「あー、ハイハイ。いいんじゃないか?」

返事に生気がない。
死んだ魚のような目で恵一を見る。

彼は、力の限りガッツポーズをした。

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