こちらミクモ探偵事務所5

「じゃあ、私たちが聞いた変な音は?」

今度は紘子が訊く。
恵一は楽しそうに口を開く。

「サイレンサーはご存知でしょうか?」

「サイレンサー?」

「うん。スナイパーが使う、銃声のしない拳銃の事だよ」

「知らないよ、そんなの」

高校生がそんなこと知るハズがない。
紘子の隣で、隆宏がハッとしたように顔をあげた。

「まさか、サイレンサーを使って殺人をしたって言うのかい?」

「そう言うことです」

「何てことだ……」

隆宏が頭を押さえ、苦悶の表情をする。
隆宏を励ましながら、更に手帳に書いてあることを読み上げる。

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