こちらミクモ探偵事務所5
「紘子ちゃん達が聞いたのは、本当に殺人が行われたときの銃声だったのです」
「ふむふむ」
「後は、コンポにMDをセットし、離れに鍵を掛けて出る。これで密室の完成です」
「ほうほう」
「……さっきから相槌が適当だな」
明らかにこの状況を楽しんでいる羽兎に、紘哉がツッコミを入れる。
羽兎はニヤニヤしながら恵一を見守っている。
「それができ、尚且つ中村さんに恨みを持てるような人は一人しかいないっ!」
そこで恵一は大きく息を吸い、ある人物を指差した。
「信夫さん!犯人はあなたしかいましぇん!!」
…………
痛いほどの沈黙。
どれほどの時が経ったのだろうか。
やがて、紘哉がボソリと呟いた。