こちらミクモ探偵事務所5
「……噛んだな」
「噛んだね」
「大事なところで噛むとか、ケイ兄って決まらないね」
「何かダサい」
各々感想を言いながら、恵一を見る。
彼は顔を赤くし、手帳で顔を覆った。
「止めて!もう突っ込まないで!ってか、俺を見ないで!」
さっきまで天狗になっていた彼が、一気に恥ずかしい人へと変化する。
紘哉は彼に近付き、肩に手を乗せた。
「紘哉ぁ……」
若干涙目の状態で恵一が顔を向ける。
紘哉は彼に向かって、一瞬だけ優しい顔を見せる。
「ケイ、お前に1つ言いたいことがある」
「えっ何?」
途端、紘哉は意地悪そうに笑い、今回最高の毒を言い放った。