こちらミクモ探偵事務所5
「何でそうなるの!?」
最初に沈黙を破ったのは羽兎だった。
「だって、みどりさんには中村さんを殺す動機がないよ!ドーキが!」
「……お前はいつも俺の意見を否定したがるんだな」
「紘哉さんに似たんだよ」
羽兎が嫌味ったらしく言う。
紘哉は顔をしかめ、ため息をついた。
「動機は……信夫さんを守るためですよ」
「ハァ!?」
「ここでさっき置いといた、信夫さんに掛けられた麻薬密売の容疑が関係してきます」
順を追って説明する。
ここからは確たる証拠がない上、一か八かの賭けに出るしかない。
「話によると、中村さんは規則に厳しい人だったそうですね。もし、麻薬密売が発覚したら、告発するに違いありません。
だから、信夫さんは中村さんを殺そうとした」
「でも、殺せなかったんだよね?」