こちらミクモ探偵事務所5
当時の状況を頭に浮かべながら、言葉を吐き出す。
ここまで言ってしまった。
後戻りはできない。
「そこで彼女は、拳銃の装置を外し、部屋を施錠して外へ出る。これでトリックは完成です」
「いやいや!ちょっと!」
紘哉の推理に、羽兎が待ったを掛ける。
一瞬、みどりの顔が柔らかくなった。
「もしかしたら、信夫さんが銃弾を食器棚に隠したのかもしれないよ!みどりさんに罪を擦り付けるためにさ」
「まぁ、普通だったらその線も考えられるだろう」
「どうだ。参ったか!」
羽兎が腰に手を当て、得意気に息を吐き出す。
しかし、紘哉は全くダメージを受けていないようだった。