こちらミクモ探偵事務所5
「だったら、なぜ俺達が来ているタイミングで事件を起こした?」
「……え?」
羽兎が固まる。
紘哉は先を続けた。
「無能とは言え、一応ケイは刑事だ。そんな奴が来ている中で、お前は事件を起こしたいと思うか?」
「おい!無能は余計だ!!」
ようやく立ち直ったらしく、恵一が反論の声を上げる。
彼はズンズンと紘哉に歩み寄ると、その頭をぺちりと叩いた。
「……何だよ」
「交代。俺さ、分かったかもしれない!」
「……」
今回、恵一に華を持たせてやると言ったのは自分だ。
今更意見を変えるわけにはいかない。
紘哉は頭をさすりながら、無言で引き下がった。