こちらミクモ探偵事務所5

「私が麻薬密売?それは絶対に無いことだよ」

「んなっ!?」

「証拠がないのに、憶測だけで話を進められちゃ困るなぁ」

嫌味ったらしく言う。
痛いところを突かれてしまった。

ぐうの音も出ない恵一を前に、信夫は満足そうに笑う。

「でも、千尋さんが以前、あなたが麻薬取引をしているのを目撃していますよ?」

「そ、そうだよ!」

押されている恵一に、紘哉と千尋が加勢する。
信夫は紘哉を一瞥し、その後千尋を睨んだ。

「お前は家族を売る気かい?」

「そんなことない!!」

「だったら黙っていなさい。証拠もないのに、勝手に言っている方がおかしいんだ」

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