こちらミクモ探偵事務所5
家には何台ものパトカーが止まっている。
恵一が車に乗ろうとするところを、紘子がじっと見ていた。
視線に気が付いたのか、恵一が振り返って彼女に近付く。
「どうした?」
「……」
口を真一文字に結び、彼から目を逸らす。
恵一は不思議そうに彼女を見つめた。
「自分で告発したとはいえ、お父さんお母さんもいない……これからどうしていけばいいの?」
「……」
今にも泣きそうな声で尋ねてくる。
数年で出てこれるとはいえ、これから犯罪者の娘として生きていかなければならない。
この事件は、これから彼女に大きな弊害をもたらすだろう。