こちらミクモ探偵事務所5



ある日の午後、紘哉はチョコーヒーを傍らに、とある資料を読んでいた。

そこへ、事務所のドアが勢いよく開く。

「紘哉さん!!久々にチョコケーキ買ってきたよ!」

「何だって?」

紘哉が顔を上げる。
羽兎は彼のデスクに歩み寄ると、ケーキの箱を机の上に置いた。
そして、彼女は紘哉の持っていた資料に目を向けた。

「何の資料なのさ?」

「何でもない」

「気になる!」

そう言って、彼女は資料を手にとる。
紘哉は特に取り返すわけでもなく、傍らに置いてあったチョコーヒーを飲んだ。

ふと、資料をペラペラと捲っていた羽兎の手が止まる。
彼女は驚いた声を出した。

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