こちらミクモ探偵事務所5
「よろしくお願いします」
紘子は頭を下げる。
紹介されても尚、彼女の表情は固い。
「こちらこそよろしくお願いします」
二人も頭を下げる。
ここまで警戒されると、自然とこちらの表情も固くなる。
「で、何か用なの?」
「あー、うん」
紘子が思い出したように手を叩く。
「今日、中村さんが来てるから部屋が足りないんだよね」
「え?そうなの?」
千尋が聞き返す。
紘子は天井を指差した。
「うん。微妙に足りない」
「あらー……どうしようか」
みどりと千尋が顔を見合わせる。
紘哉は、何とも言えない居心地の悪さを感じた。