こちらミクモ探偵事務所5
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「散らかっててごめんなさい」
「え?どこが!?」
綺麗に片付いた部屋。
羽兎は、荷物を持ったまま部屋を見回した。
教科書が積まれた勉強机。
受験生らしく、ノートが広げてある。
茶色いタンスの上には、熊のぬいぐるみがちょこんと置かれていた。
「何と言うか……私の部屋とは大違いだ」
「狭くてごめんなさい。慌てて片付けたもんだから、色々と汚いけど……」
「いやいや、とんでもないです!!お邪魔します!」
勢いよく羽兎が頭を下げる。
紘子は思わず苦笑いを浮かべた。
「固くならないで下さい。私より年上なんだから。タメ口で結構ですよ」
「え?いいの?」