こちらミクモ探偵事務所5
紘子はコクリと頷く。
羽兎の顔がパアッと明るくなり、彼女の手を握った。
「ありがとう!紘子ちゃん!」
「いえいえ」
「私の事もタメ口でいいからね!」
笑顔で握った手をブンブン振る。
それに少し戸惑いながらも、紘子は笑顔で返した。
何やかんやで一段落ついた後、おもむろに紘子が口を開いた。
「何かやりたいことある?」
「うーん……取り敢えず、ひろ……お兄ちゃんの所に行きたいかな」
「仲いいんだね」
「まあね」
笑いながら頭を掻く。
嘘をついていることが、何となく心苦しくなった。
「じゃあ、行きますか。そのお兄ちゃんの所に」
「うん!」
元気よく頷く羽兎を一瞥し、紘子は自室のドアを開けた。