こちらミクモ探偵事務所5
お父さんとイチゴ
あれから数分後。
横たわる恵一を傍らに、紘子は正座をしながら二人に向かって頭を下げた。
「見苦しい所を見せてしまってすみません」
「い、いえ……」
自然とこちらも正座になる。
紘哉は恵一を哀れに思いながらも、口を開いた。
「騙してすまない。悪気は無かった。ただ、ワトコの年齢やら色々考えると、兄妹にした方が話は通じると思って……」
「そう言うことだったんですか。まぁ、言われてみればそっちの方が楽かも……」
「紘子ちゃん、ごめんね?」
羽兎が手を合わせる。
紘子は首を振った。
「いいよ。この事はお姉達に内緒にしといてあげる」
「ありがとう!」