こちらミクモ探偵事務所5
ふーん、と相槌を打ち、紘哉は恵一の方を見た。
まだ彼は何も喋らず、口を尖らせている。
「……もう喋ってもいいんじゃないか」
「マジで?」
「あぁ。話は一通り終わったし」
解放された事からか、恵一は思い切りため息をついた。
その背中を羽兎が撫でる。
「うん、今回は相手が悪かった!」
「そうですよね!俺、何があってもヒロヒロコンビに勝てる自信無い……」
「紘哉さん×2とか、迷惑ですよね!」
「……全部聞こえてるぞ」
紘哉が低く呟く。
二人は顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。
そして、恵一がパンと手を叩いた。
「じゃあ、お父さんに会いに行きますか!」
「ケイ兄、それ私のセリフ」