こちらミクモ探偵事務所5
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更に数分後。
一同は再び一階に降りてきた。
目的地は、離れにある千尋の父――新井信夫の部屋だ。
「本当は二階に部屋持ってたんだけど、何を思ったのか急に物置だった離れを使い出してさ」
呆れながら紘子が説明をする。
恵一は首をかしげた。
「俺が最後に来たときは、そんなんじゃ無かったよな?」
「うん、ここ数年から。ちょうどイチゴのセールスマンが来るようになってからかな」
「ますます怪しい……」
「まぁ、私的にはお父さんが女囲っていようが、何してようが関係無いけどね」
「相変わらず冷めてるなぁ」
笑いながら恵一は彼女の肩を叩く。
紘子はそれをさらりと払いのけた。