こちらミクモ探偵事務所5
しばらくして、ようやく紘子が部屋に入っていった。
「こんにちは。おじさん、久し振りですね」
「おー、元気にしてるかい?恵一くん」
「お陰さまで」
何となく入りにくい空気がする。
紘哉と羽兎は、入り口から部屋の中を覗いていた。
中肉中背の中年男。
徐々におでこが広がり、脳天の髪が寂しくなってきているのが分かる。
新井信夫は路上で見る写真の通りだった。
その隣に立つ、ひょろひょろとした男。
恐らく、中村さんだろう。
「散らかっててすまない。まぁ、久々に来たんだからゆっくりしていってくれ」
「あー、はい。じゃあ、お言葉に甘えて……」