こちらミクモ探偵事務所5

「訊きたいこと?」

恵一がおうむ返しに訊く。
千尋は小さく頷いた。
そして、部屋の中を覗き込んだ。

「その……ケイちゃんの友達の事」

「俺、ですか?」

千尋に見られ、きょとんとする紘哉。
彼は首を傾げた。

「何ですか?答えられることだったら答えますよ」

「えーっと、何で敬語なんですか?私、ケイちゃんと同い年ですよ?」

「初対面の人にいきなりタメ口って、失礼だと思いませんか?そう言うアナタも敬語ですし」

「あ……」

今更気付いたように、千尋がクスリと笑う。
そして、掛けていた眼鏡を押し上げた。

「あの――」

「お姉、何してんの?」

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