こちらミクモ探偵事務所5
恵一は身体を避け、三人を招き入れる。
いの一番に入ってきた羽兎は、紘哉の前に座って彼の肩を揺する。
「ねぇ、聞いてた?」
「変な音が聞こえたって話だろ?」
「うん!もう何か変だったんだよ!」
お風呂上がりに急いで駆け付けてきたのか、首にバスタオルが掛かっている。
いつも結んでいる髪はほどかれ、まだ若干雫が垂れていた。
「……風邪引くぞ」
「慌てて来たんだからしょうがない!」
「で、どんな音なんだよ?」
「それがね……」
羽兎の動きが止まる。
紘哉は不思議そうに首をかしげた。
「へっくし!!」
羽兎がくしゃみをする。