こちらミクモ探偵事務所5
紘子はまっすぐ走り、庭の端にある離れへと駆け寄った。
そして、勢いよく戸を開こうとする。
「……開かない」
どうやら鍵が掛かっているらしい。
引き戸を躍起になって引っ張る紘子を羽兎が止める。
「誰もいないんじゃないかな?」
「そんなことない!何か、嫌な予感がする」
「……」
みんな黙り込む。
やがて、恵一が口を開いた。
「あのさ、ドア壊していい?」
「……後でお金払ってくれるなら」
「分かった。じゃあ、紘哉も手伝え」
恵一に呼ばれ、紘哉はあからさまに嫌な顔をする。
そんな彼の否応なしに引っ張り、扉の前に立たせた。