こちらミクモ探偵事務所5
「いいか?俺がせーのって言ったら、ドアにタックルかますんだぞ!」
「お前一人でやれよ」
「いいから!せーのっ!」
号令が掛かる。
一人で張り切る恵一を見捨てようと思ったが、状況も状況なので加担する。
ドアは呆気なく倒れた。
恐らく、恵一だけで壊すことが出来ただろう。
「……手伝う意味あったのか?」
「ある!二人で壊せば、弁償額も割り勘になる!」
「……最低。悪知恵働かせる暇があるなら、もう少しマシな事に使えよ。この税金ドロボーが」
「うぅ……久々に傷付いたぜ……」
凹む恵一をよそに、紘哉は部屋を見回した。