こちらミクモ探偵事務所5

「……血液くらい、見れば分かる」

「分かってないなー、紘哉さんは。
この赤々とした血液!動脈からじゃないと出ないんだよ?しかもこんなにたくさん!」

「……」

羽兎は紘哉に背中を向けてしゃがみこみ、恍惚とした表情を浮かべる。

その背中を、紘哉は何も言わずに軽く蹴った。
キャウンと変な叫び声を上げ、羽兎が床に倒れる。

そして、恨めしそうな目で紘哉を見上げた。

「何よー!蹴ることないじゃない!!」

「うるさい。人一人死んでるのに、不謹慎だぞ」

「でも、この胸のトキメキは抑えられないっ!」

「目キラキラさせんな。気持ち悪い」

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