こちらミクモ探偵事務所5
羽兎を一喝し、ため息をつく。
そんな彼の肩を恵一が叩いた。
「まあまあ、落ち着けって」
「俺はいつでも冷静沈着だ」
「自分で言うな」
カラカラと笑い、恵一は手帳を取り出す。
そして、ペラペラと手帳を捲った。
「取り敢えず、簡易だけど被害者の事聞いてきた」
「で、何だって?」
「被害者の名前は中村秀則(なかむら ひでのり)48歳。
どうやら、拳銃で心臓を撃ち抜かれて即死だったらしい。
死亡時刻は午後10時から12時の間。まだざっくりとしか分からない」
「なるほど……」
「近くに拳銃が落ちてたろ?あれが凶器じゃないかって思ってる。
因みに、その銃から指紋は検出されなかった」
「そうだろうな」