こちらミクモ探偵事務所5
被害者の近くに落ちている武器に、指紋を残す犯人などそうそういないだろう。
「因みに、俺は羽兎さんがくしゃみしたのと同時に中村さんが殺されたんじゃないかと思ってる」
「あんなに大きな音が聞こえたもんな。それは納得できる」
紘哉も同意をする。
それを聞いた羽兎が身体を起こし、二人の側に寄ってきた。
その顔は少し青ざめている。
「どうしよ!人殺しちゃった!!」
「……は?」
言っている意味が分からない。
捜査員が一斉に彼女の方を向く。
顔をしかめる紘哉をよそに、羽兎は更に続けた。
「だって、私がくしゃみしなかったら中村さんは死なずに済んだかもしれないんだよ?」
「どうしてそう言う考えになった」