こちらミクモ探偵事務所5
呆れる紘哉。
周りの捜査員も、呆れると同時に安堵のため息をついた。
「羽兎さんのせいじゃないですよ。これは、どう考えても防げなかった殺人なんです」
恵一が励ます。
言葉が引っ掛かり、紘哉は首をかしげた。
「防げなかった殺人って何でだよ?」
「いやぁ、これがさ……」
彼はため息をつくと、もう一度周りを見回した。
そして、言葉を繋げる。
「俺達がドアを壊したとき、窓に鍵が掛かってたんだよ」
「それが?」
「窓とドア以外、犯人が出ていける場所は無い。つまり――」
「……密室ってわけか」
あまり、聞き慣れない言葉が紘哉の口から飛び出す。
羽兎は帽子を被り直した。