こちらミクモ探偵事務所5
小さく頷き、二人のアリバイを頭の中で咀嚼する。
そして、彼は何かを思い出したように顔を上げた。
「そう言えばお前、何か言おうとしてたことがあったよな?」
「うん。変な音が聞こえたって言いたかった」
「どんな音だったんだ?」
「破裂音。でもね、何か遠くから聞こえてきた感じなの。だから一応、花形さんに言っておいた方がいいかなって」
「そうなのか」
「今思えば、そんなに騒ぎ立てる事じゃなかったね」
カラカラと羽兎が笑う。
反省する気は無いようだ。
「まぁ、俺達には中村さんを殺す動機なんて無いし……
取り敢えず、聞き込みに行きましょう!」
恵一が立ち上がる。
二人は彼をポカンと見上げ、小さく頷いた。