こちらミクモ探偵事務所5
「あらあら、何か用かしら?」
「まぁ、そんなところです」
みどりは立ち上がり、三人をソファに座るよう促す。
恵一はニシシと笑い、ソファに腰掛けた。
「いやあね、いつもならそこの本屋さんにでも行ってるんだけど……許可が出なくて」
「ごめんなさい」
「あら、何でケイちゃんが謝るのかしら?家でこんなことになっちゃったのは、迷惑だけど……」
「それはそうですよね」
「でも、警察に協力するのが市民の義務ですもんね」
「はぁ……」
恵一が申し訳なさそうな表情になっていく。
彼の隣に羽兎が座り、満面の笑みで肩を叩いた。
「税金ドロボーには痛い話だな……」
部屋の隅に立っている紘哉が、誰にも聞こえないような声で小さく呟いた。