こちらミクモ探偵事務所5
「被害者は中村秀則。48歳。
死亡時刻が午後11時05分だとハッキリと分かった」
「何でだ?」
数字が綺麗すぎる。
紘哉は首をかしげた。
「どうやら胸ポケットに時計が入ってたらしい。銃弾が当たった衝撃で壊れたらしく、その時間で止まってた」
恵一は書類を下ろし、がっくりと肩を落とす。
そして、小さくため息をついた。
「何で死体調べてるときに気付かなかったんだろう……俺のバカ!あんぽんたん!!」
「バカなのは分かったから、いいから続きを教えてくれ」
恵一の愚痴を、右から左へ受け流す。
恵一はしょぼんとしながら、書類を読み上げた。