秘密の片思い 番外編③
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愛は自宅マンションに戻り、郁斗を待っていた。


試合後に、今日は家に戻るとメールがあったのだ。


シャンパンとチーズ、簡単につまめるものが、リビングのテーブルにセッティング済み。


シャンパンクーラーの中の氷が時々、カランと小さな音をたてる。


リラックス作用のあるラベンダーのアロマキャンドルも用意した。


一日の疲れを少しでも癒して欲しい。


郁斗を待つ間、高校生の片思いをしていた頃のドキドキと同じように、愛の胸は高鳴っていた。


もうすぐかなぁ……。


ソファに座り、携帯電話の時刻を見ようとした時、玄関のカギが開く音がした。


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