秘密の片思い 番外編③
「だって、急に思い出しちゃったの。教えて?」


郁斗は小さなため息を吐くと頭を枕につけた。


「郁斗?」


「願い事は言うべきじゃないのかもしれない……」


「え? どうして? 郁斗の望みは叶えてあげたい。約束したし」


愛は身体を起こすと、郁斗を見た。


「でも気持ちの問題だから、俺の望みを言って愛を傷つけたくない。軽率だったよ」


「郁斗? なにを言っているの? あたしが傷つく? お願い、言ってみて?」


愛はたくましくなめらかな胸板に手を置いた。


< 75 / 82 >

この作品をシェア

pagetop