秘密の片思い 番外編③
「愛……」


「郁斗、言って?」


郁斗はそれから少し黙り、愛が不安そうに見つめる中、口を開いた。


「……避妊するの、やめないか?」


「……それは……赤ちゃんが欲しいって……こと?」


愛の瞳が見る見るうちに潤み、涙が溜まっていく。


愛の潤んだ目を見た郁斗は慌てる。


「愛、いいんだ。ごめん。俺の願望を言っただけだよ。俺は愛が大丈夫だと思う日まで待てる。本当にごめん」


郁斗は愛の後頭部に手を置くと自分の胸へ引き寄せる。



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