秘密の片思い 番外編③
「違うの……あたし……、郁斗ぉ……待っていてくれてありがとう……あたし、もう大丈夫。また妊娠したいって、思えるようになったの……」


顔を上げて涙にむせびながら見る。


「それは本当に……?」


流産が原因で克服できなかった気持ちが変わったのか?


「うん。本当に。不思議なんだけれど、千夏ちゃん見ていたら欲しくなって……。昨日は街中に出ても、赤ちゃんを目で追ってしまうほどだったの。あたし、郁斗の願い事を叶えてあげられる。郁斗もあたしの願いを叶えてくれる」


「愛!」


愛はしなやかだが、筋肉質の腕にギュッと抱きしめられた。


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