【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3


大学へ行って更に勉強して…、というのはピンと来ないし、かと言って何かやりたい仕事があるわけでもない。

龍輝さんと一緒に居られるのは嬉しいけれど、だけど私はただ漠然と“今”を生きてる。

と、そんな風に感じてしまうことがある。




「龍輝さんは、今の仕事がしたくて入社したんですよね?」

「んや、それは違う」

「え?」


「俺も、なりたいモノなんかねぇよ」


龍輝さんが苦笑しながら私を見る。




「…今の会社、名前を言えばみんなが知ってる大手の企業だろ?
お前には“実力で入った”なんて言ったけど、でもほんとは違うんだ」


…違う?




「…実はあの会社、死んだ親父が友達と立ち上げたところで。
その友達のオッサンが“やってみないか?”って誘ってくれて。

その人、親父が死んだ後もずっと俺のことを気にかけててくれたみたいで、“卒業したら誘うつもりだった”なんて言われたら断れないだろ?」

「あ…、そうだったんですか…」


…龍輝さんのお父さんは、龍輝さんが小学生の頃に事故で亡くなった。

そのお父さんが遺した財産が結構ある。と言っていたのは、
大手企業の創立者だったからなんだ。

< 11 / 95 >

この作品をシェア

pagetop