【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
そこ!?
よりによってそこですか!?
て言うか、なんで怒られてたことを知ってんの!?
「あ、偶然俺も職員室に居て、偶然話が聞こえてきたんですよ?
盗み聞きしてたわけじゃなくて、偶然聞こえてきたんです」
……“偶然”をやたら強調するなぁ…。
「…ほんとに偶然?」
「ですね」
「…なんで職員室に居たの?」
「“あまり目立った行動はするな”と言われまして。
俺自身、そんなつもりはないんですけどね」
「………」
…普通っぽい人に見えるけど、何か危ないコトしてる人なんだろうか…。
と思いながら新田くんを見つめていたら…、
「…先輩は、他の人とは違いますね」
…なんてことを言われた。
「…えっと、新田くん。 それってどういう意味?」
「いえ、別に?
雨止んだみたいですから帰りましょうか」
「………」
「あ、さすがに一緒に帰るのはまずいですか?
じゃあここで失礼します」
ぺこりと頭を下げた後、新田くんはまたにっこり笑って私を見た。
「また明日会いましょうね。
会えるかどうかは、わかりませんけど」
言いながら手を振り、風のように去っていった。
「…なんか、不思議な人だったな…」
そう呟きながら、雨の上がった空を一人で静かに見つめた。