【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3


そこ!?

よりによってそこですか!?


て言うか、なんで怒られてたことを知ってんの!?




「あ、偶然俺も職員室に居て、偶然話が聞こえてきたんですよ?
盗み聞きしてたわけじゃなくて、偶然聞こえてきたんです」


……“偶然”をやたら強調するなぁ…。




「…ほんとに偶然?」

「ですね」


「…なんで職員室に居たの?」

「“あまり目立った行動はするな”と言われまして。
俺自身、そんなつもりはないんですけどね」

「………」


…普通っぽい人に見えるけど、何か危ないコトしてる人なんだろうか…。


と思いながら新田くんを見つめていたら…、




「…先輩は、他の人とは違いますね」


…なんてことを言われた。




「…えっと、新田くん。 それってどういう意味?」

「いえ、別に?
雨止んだみたいですから帰りましょうか」

「………」


「あ、さすがに一緒に帰るのはまずいですか?
じゃあここで失礼します」


ぺこりと頭を下げた後、新田くんはまたにっこり笑って私を見た。




「また明日会いましょうね。
会えるかどうかは、わかりませんけど」


言いながら手を振り、風のように去っていった。






「…なんか、不思議な人だったな…」


そう呟きながら、雨の上がった空を一人で静かに見つめた。




< 18 / 95 >

この作品をシェア

pagetop