【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
まさか、新田くんが校内1のイケメンと呼ばれてる人だなんて…。
「…優ちゃん、私昨日あの人と喋った」
「え、そうなの?」
「うん」
周りの人に気付かれないよう、小声で言いながらその場を離れる。
「あの人ね、2年前の学園祭で私たちを見て…それで“私”に興味があるとか言ってた」
「え? それって…、言っちゃあなんだけど、変わってるね」
「うぅ…ヒドイ…」
「あはは、ごめん」
…まぁ、自分でもそう思ったけどね。
でも新田くんが校内1のイケメンかぁ…。
あ、だから昨日「あまり目立った行動はするな」って先生に言われてたのかな?
自分では「そんなつもりはない」って言ってたし、さっきもただ友達と話してただけに見えたけど…、
それでも人が集まるから、先生には「目立つ行為」に見えるのかもしれない。
「…カッコイイ人も、苦労するんだなぁ」
「なに他人事のように言ってるんですか、龍輝さんの彼女さん。
四聖獣だってきっと苦労してたと思いますよ?」
え…!?
「うわっ!! 新田くん!!」
「あはは、驚きすぎ。
おはようございます、先輩」
新田くんが、私たちの後ろ側で爽やかに笑う。
「さっき教室から先輩たちが見えたんで、思わず追いかけてしまいました」
「思わず、って…」
そのせいで廊下は人で溢れかえり、大変なんですけど…。
「…えーっと、新田くんだっけ?
コレをなんとかしてくれると、とってもありがたいんだけどなぁ?」
優ちゃんが面倒臭そうな顔で辺りの女の子たちを見渡す。
「…あー、それじゃあ逃げましょう」
…はい?
「よーい、ドン!!」
……その声と共に、新田くんが私と優ちゃんの手を握って走り出す。
後ろでは女の子たちの悲鳴が重なり、しばらく消えることがなかった。