【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
……。
そのまま走り続けた私たちは、体育館裏へと辿り着いた。
四聖獣が卒業してからはあまり来なくなっていた場所に、私と優ちゃん、そして新田くんが居る。
「1限目、このままサボっちゃいますか」
ニコニコと笑う新田くん。
その横では、優ちゃんが呆れ顔。
「…“なんとかして”とは言ったけど、まさかこんな風にするなんてね」
「あはは、ごめんなさい。
でも嬉しいなぁ。 龍輝さんの彼女さんと健吾さんの彼女さん、今は俺が独り占めですもんね?」
「…キミさぁ、ユニークだって言われない?」
「あ、“変わってる”と、しょっちゅう誉められます」
「いや、多分それ誉められてないから」
…あはは。
やっぱり新田くんって、変わってるなぁ…。
「ところで先輩、なんで俺の教室に?」
「え?」
ふと、新田くんの視線が私に移る。
「もしかして、俺に会いに来た?」
「…っ……」
ドキッ…
新田くんの柔らかな笑顔に、不覚にも心臓が鳴ってしまった。
「あっ…えっとね、優ちゃんが“校内1のイケメン”を見に行こうって言って!
それで行ったら、新田くんがそう呼ばれてる人だって知って…!!
だから偶然!! うん、偶然です!!
いやー、こんな偶然ってほんとにあるんだねー!!」
「あぁ、なるほど。
でも知ってます? 偶然に偶然が重なったらそれは必然になるんですよ」
「へっ?」
「昨日偶然に会った俺と、今日また偶然に会う。
つまり、俺と先輩が出会ったのは偶然ではなく必然だったことになります」
…偶然じゃなくて、必然…。
「俺たち、赤い糸で結ばれてるかもしれませんね」
え…!?