【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
相変わらずの笑顔で私を見る新田くん。
そのまま近くに居る人の顔をぐるりと見回して…、
「噂に振り回されないでくださいね、先輩」
…私に言ったのか周りの人に言ったのか、よくわからないけれど…、それでも新田くんは、やっぱり優しい笑みを浮かべていた。
「とりあえず、移動しましょうか。
雨、まだ上がりそうにないですし」
「あ…でも…」
「いいからいいから。
あ、そういえば素敵な場所見つけたんですよ。
一緒に行きましょ、“四聖獣”龍輝さんの彼女さん」
周りの目なんて気にすることなく新田くんは歩き出す。
「先輩」
少し離れたところで私を呼ぶ、新田くんの柔らかで温かな笑顔。
それを見て、また少しだけ、胸がきゅんとなった。
……。
…結局私は、新田くんの後を追って歩き出した。
雨は上がりそうにないし、昇降口に居続けるは、周りの視線が痛くてキツイ。
だから私は、逃げるようにしてその場を離れた。
「こっち」
私の4歩前を歩く新田くん。
堂々としていて余裕のある姿は、とても1年生とは思えない。
知らない人が見たら、私が1年生で新田くんが3年生に見えちゃうかも…。
「…ねぇ新田くん」
「はい」
「…新田くんは、ほんとに1年生?」
「ですね。 間違いなく先輩の2つ下です」
……見えないなぁ。
「私は今でも時々子供扱いされるけど、新田くんはそんなこと無いだろうから羨ましいよ」
「あはは、どうでしょう?
大人ぶってますけど、意外と子供かもしれませんよ?」
「えー? そうかなぁ?」
子供っぽい部分もある、ってことかな?
「あ、着きました」
「え?」
ここって…――、