【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
「…どうして、ここに?」
「みんなが来ない、いい場所なんで」
「………」
――…ここは、“あの”トイレだ。
私が初めて龍輝さんのことを「龍輝さん」と呼んだ場所。
「あ、不良たちの溜まり場になってるみたいだから、“みんなが来ない”とは違うかもですね」
…隅の方に隠してあった空き缶に、タバコの吸殻がたくさん入ってる。
新田くんはそれを見つつ、ふっと息を吐くけれど。
そのあとは何も言わず、雨の音を聞きながら天井を眺めるだけだった。
「…あのさ、誰か来たら困るから、ココはやめない?」
「ダメでしたか?」
「不良の溜まり場だし…、それにもし先生に見つかったら、この吸殻は私たちがやったと思われちゃうかもしれないよ?」
……それと、ココは私と龍輝さんの思い出の場所だから…、だから新田くんとは居たくない。
「思い出の場所」がこんなところなのがちょっとアレだけど、でも本当に、大切な場所なんだ。
「じゃあこうしましょう」
「え?」
ふと、新田くんが私の手を掴む。
そして…――、
「ここに居れば、きっとバレません」
「…っ……」
――…二人の体が密着しながら、狭い個室の中へと入った。