【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
「…っ……」
新田くんが、すぐ近くに居る。
彼の息遣い、動き、視線…すべてが私をとらえている。
「先輩」
「………」
「俺ん家に来ませんか?」
「え…?」
新田くんの、家…?
「もう少し先輩とお近づきになりたいなぁと思うんですけど、どうでしょう?」
目の前の顔が微笑み、手と手が触れ合う。
そして…――、
「先輩」
――…声が、近づく。
「花は好きですか?」
「……え?」
それは、予想もしていなかった言葉。
「は、花…ですか?」
「はい。俺ん家、花屋なんで」
……あぁ、なんだ…。
お花屋さんだから、「来ませんか?」って聞いてきたのか。
「…お花の名前はあんまりわからないけど、見るのは好きだよ」
「あ、よかった。“花は嫌い”とか言われたらどうしようかと思ってました」
「あはは…」
「じゃ、行きましょう」
「…え?」
「雨、上がったみたいなんで」
あ…本当だ。
いつの間にか、雨が上がってる。
「行きましょう、先輩」
新田くんの体が離れ、個室のドアが開く。
その後…、4歩前を行く新田くんの後ろ姿を眺めながら歩き続けた。