【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
「あのっ…! バイトだなんて、急にそんなっ…!!」
「大丈夫、春樹がちゃーんと教えてくれるから!」
「や、そうじゃなくてっ…!!」
「あらやだ、もうこんな時間。
お得意様にお花を届けに行くから、留守番よろしくねー!」
「あ、ちょっと…!!」
………。
…行っちゃった。
「もしかして、もう就職先決まってました?」
「え?」
「龍輝さんと同じ会社とか」
「あっ…ううん、それは無いよ」
と言うか、なりたいモノすら全然何も無いんだけどね…。
「じゃあ、ここで働くことを考えといてください。
あ、バイトとかは気が向いた時でいいんで」
「……ん」
お花屋さんで、仕事かぁ…。
こんな素敵な花束が作れるのなら、やってみたい気がする。かもしれない。
「あ、見た目ほど楽な仕事じゃないんで、それは覚悟してくださいね」
「…へ?」
「生き物相手の仕事なんで、一瞬一瞬が勝負です。
それに、水仕事なんで冬場はかなり辛いし、夏は蚊に刺されまくる。
あ、バケツもかなり重いんで、その辺の販売職よりは力も要ります」
…お花屋さんって、ふんわりとした独特の雰囲気の中でニコニコした店員さんが楽しそうに仕事してるイメージだったけど。
…なんか、思ってた以上にハードらしい…。
「えっと…新田くんは、毎日それを…?」
「うん。 学校行く前と帰ってからは必ず仕事してます」
「…そう、なんだ」
「でも、好きでやってるから楽しいですよ」
好きでやってるから楽しい、かぁ…。