【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
想い
――……。
……。
すっかり暗くなった道を、トボトボと歩く。
「………」
…どうしよう。
私、新田くんのことばっかり考えてる。
違うことを考えようとしても、新田くんの笑顔、言葉、態度が混じり込む。
……新田くんのことが、頭から離れない。
と、その時…――、
「あれ? 真由?」
――…今は会いたくなかったその人が、私を見て不思議そうに首を傾げた。
「…龍輝さん…」
…仕事を終えたらしい龍輝さんが、躊躇うことなく私を見る。
ううん、私じゃなくて…、私の手にある花束を見てる。
「…それ、どうした?」
「………」
…どう答えよう?
どう言えばいいんだろう…?
「誰かに貰った?」
「………」
「男?」
「……はい」
…龍輝さんの声は、低くて重い。
そんな声で真っ直ぐに問われたら、黙ったままでは居られなかった。
「誰から?」
「…新田 春樹くんという、1年生です。
あの…、彼のお家がお花屋さんで…それで、“お詫びに”と…」
「……新田…。
お詫びって…、何かされたのか?」
「…色々、あったんです。
その人と私が、ちょっと噂になっちゃったり…」
「…へぇ」
ドキ ドキ ドキ....
龍輝さんは、色の無い瞳で私を見ている。
その瞳はまるで、不安定な私の状態を見透かしているかのような…――、
「純愛」
――…え?
「その花、パンジーだろ」