【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
新田くんの指が、髪を撫でる。
その瞳はやっぱり苦しそうで、悲しそう。
「…俺と、生きていきたいと思いますか?」
悲しそうな瞳のまま、新田くんは笑う。
「先輩は、俺の隣に居たいと思いますか?」
新田くんの、となり…。
「先輩の気持ち、話してください。
先輩は誰が好きで、誰と一緒に居たいと思ってますか?」
私の、気持ち…。
……私の気持ちは…、私が大切なのは…、
大切にしてきたものは…――、
“お前は一生、俺のものだから。”
――…大切な人は、新田くんじゃない。
「…わたし、は……」
ポロポロと、涙がこぼれ落ちる。
「……私は、龍輝さんと生きていきたい…」
…龍輝さんと一緒に居たい。
これから先もずっと、龍輝さんのそばに居たい…。
「なら、龍輝さんと一緒に居てください。
こんなところに居ないで、あの人のそばに居てください」
龍輝さんのそばに…。
だけど龍輝さんは…――、
「…龍輝さんはもう、近くに居ないんだよ…」
――…龍輝さんはもう、遠くの街へ行ってしまったんだ…。