【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
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……
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「…で? 結局龍輝に連絡してないんだ?」
「…はい」
「つまり、昔の臆病な真由ちゃんに戻っちゃったってこと?」
「……かもしれません」
……ここは、龍輝さんの住んでいるマンションの、龍輝さんの部屋。
出張に行っているから龍輝さんは居ないけど、同居人の大雅さんが居る。
と言うか…、仕事で居ないはずなのに、居た。
……タイミングが良いと言うか悪いと言うか、今日はマスターの都合でお店が休みになったらしい。
そんなことを知ってるはずもなく来た私は、「泣きました」な顔を大雅さんに見られ、そして捕まった。
「…ったく、真由ちゃんは馬鹿だなぁ。
まぁ馬鹿龍輝と一緒に居りゃあ馬鹿にもなるか」
「…ごめんなさい」
「…あーあーあー真由ちゃんに見向きもされなかった朔ちゃんが可哀想ー。
数回会って喋っただけの男にときめいてさぁ、ずーっと一緒に居た朔ちゃんにはときめかないって何だよー」
「……ごめんなさい」
「……まぁいいけど、これからどうする?」
「…わかりません」
…新田くんは、「龍輝さんはずっと先輩を想ってます」って言ったけど…、
…でもいざ連絡しようとすると、怖くなってボタンが押せなかった。
私は龍輝さんに酷いことをしてしまった。
…龍輝さんはもう、私のことなんて見てないし想ってない。
今更連絡しても、もう元には戻れない…。
そんな風に悪い方ばかりに考えてしまう。
……大雅さんが言った通り、昔の臆病な私に戻ってしまった。
「…ここに来れば“何か”は変わる。
そう思って来ましたけれど…、私はやっぱり、臆病なままです」
龍輝さんとどう話せばいいか、今はもうわからない…。
「じゃあ、俺が連絡しようか」
「…大雅さんが…?」