【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
距離
――……。
……。
その後、大雅さんと綾ちゃんがどうなったかはわからない。
でも、大雅さんも綾ちゃんも前よりも笑顔が増えたような気がするから…、だからきっと上手く行ったんだと思う。
二人は二人の幸せな時間を生きている。
そう思ったから、私は何も聞かずに二人をそっと見つめていることにした。
……。
そして、前と変わらない平穏な日々が戻ってきた。
と、思った時、
「先輩! 一緒に来てください!!」
…ある日の放課後、新田くんが慌てた顔で教室に入ってきた。
教室に残ってた数名がキャーキャー騒ぐ中で、新田くんは躊躇いもせず私の手を掴む。
「ちょっ、なに、どうしたの!?」
「母が怪我して動けないんです。 だから手伝ってください」
「え…!?」
お母さんが、怪我!?
「あとでちゃんと話します、だから今は一緒に来てください」
そう言われ、そのまま教室を出た。
「真由ちゃん!! 私も行く!!」
後ろから言った優ちゃんに、新田くんは僅かに振り返る。
「高宮先輩も、手伝ってください」
それだけを言った新田くんは、私の手を掴んだまま、また走り出す。
……。
そして…――、数日ぶりに来たお花屋さんで、怪我をした新田くんのお母さんと再会した。