【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3


でも…、新田くんだって学校があるよね…。

そう思いながら見つめていたら、新田くんはふっと笑って髪をかき上げた。


「俺は、いずれこの店を継ぎますので。
出席日数とか成績とか、正直どうでもいいんです」


爽やかな、晴れ晴れとした笑顔。
それを見るお母さんは「出席日数も成績も大事でしょ!」と怒ったような顔をしたけれど、それでも、その数秒後には新田くんと同じように笑っていた。

このお店を継ぐ。
その言葉が、きっと嬉しかったんだと思う。

お母さんが彼の顔を見ることは無かったけれど、それでも、とても嬉しそうに、幸せそうに笑っていた。




「先輩」


にっこり笑った新田くんは、そのあとに深々と頭を下げた。


「“あんなこと”があったばかりなのに、こんなお願いをしてしまってすみません。
けど、どうしても店は休みたくないんです。
だから、お願いします」


…“あんなこと”。

新田くんと二人きりになった時のことや、パンジーの花束、そして龍輝さんのこと…。
色々なことを指しているだろうソレを聞きながら、小さく小さく息を吐いた。




「…私、お花のことは本当に何も知らないけれど…、でも、精一杯頑張ります。
えっと…、よろしくお願いします」


今度は私が深々と頭を下げる。

そんな私の肩を掴んで向き直らせた新田くんは、本当に本当に嬉しそうな顔で笑っていた。


「ありがとうございます!! 一緒に頑張りましょう!!」

「…うんっ」


ガッシリと固い握手をかわして笑う私たち。

それが済んだ時、新田くんは優ちゃんを見て微笑んだ。




「高宮先輩も、手伝ってくれますよね?」

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