【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
…え?
わたし、に…?
「だって、“あの”龍輝さんが花束を作ってもらいに来たんだよ?
花束って誰かにプレゼントするものでしょ?
龍輝さんが花をプレゼントする相手は、真由ちゃんしか居ないじゃん!!」
「私に、プレゼント…」
「数日中にまた来るみたいだし、楽しみにしておきなよー」
ニコニコと笑った優ちゃんは、手を振りながらお店の中へと戻っていった。
龍輝さんが、私にプレゼント…。
そのために今日、お店に来たのかな…?
「………」
ドキ ドキ ドキ....
既に速まっていた鼓動が、更に速まる。
確かに花束って、誰かへのプレゼントが多いよね。
今日来ていたお客さんも、みんな誰かへのプレゼントのために製作依頼をしてた。
“龍輝さんが花をプレゼントする相手は、真由ちゃんしか居ないじゃん!!”
……私へのプレゼントだって、期待しちゃってもいいのかな?
私のために花を。と、思ってもいいのかな?
「………」
…ゆっくりと外へ出て、龍輝さんの元へと向かう。
「おー、早かったな」
電柱に寄りかかって空を見上げていた龍輝さんが、にっこりと笑う。
「花を買いに来たらお前が居たから、すげービックリした」
「あっ…わ、私もビックリしました。
まさか龍輝さんが来るなんて、思ってなかったので…」
「あー…実はさ、どうしても数日中に花が欲しくて。
それで色んな店回ってきたんだけど、どこもピンと来なくてさ。
で、なんとなくここに立ち寄ったら“やっぱりここだなぁ”って思った」
「そう、なんですか…」
「ほんとは店長に作ってもらいたかったけど、新田なら任せてもいいかなって思えた。 だからアイツに頼むよ」
お店の中でセッセと片付けをする新田くんを見て、龍輝さんは笑う。
それからふっと小さく息を吐き、またどこか遠くの空を見る。
「良い花屋が見つかって良かった。 きっと渡辺(ワタナベ)さんも喜ぶよ」
「…え?」