【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
新田くんと二人きりの中で、涙が溢れそうになる。
それを必死に堪える私に、新田くんは困ったように微笑み、近くにある黄色の小さな花を手に取った。
「辛くて悲しいことがあっても、人は乗り越えていく力を持ってる。
…花は人の力になり、勇気になり、そして、笑顔をもたらす。
これを持って、そして笑ってください」
そう言って、私に花を持たせる。
「嬉しいことがあれば、悲しいこともある。
幸せなことがあれば、辛いこともある。
幸せと不幸せは、決して平等には訪れませんが…それでも、それが人生です」
「…うん…」
「…年下のくせに生意気なこと言ってすみません。
俺、奥でブーケ作ってますんで、何かあったら呼んでくださいね」
「…うん、わかった」
にっこりと笑う新田くんに小さく笑みを返し、受け取った花を見つめる。
こんなに小さくても、しっかりと花を咲かせてる。
花は強いなぁ…。 私とは大違いだ。
…私は弱くて脆くて、きっとつぼみすら膨らませられずに枯れていく。
私も、花たちみたいに強くなれたら良いのにな…。
と、そんなことを思いながら息を吐いた時…――。
「…すみません、店長はいらっしゃいますか」
「えっ…?」
――…ドキッ と心臓が鳴るのと同時に、その人の姿が目に映る。
……龍輝さんは、まるで他人に話しかけているかのように私を見て、そして、もう一度問う。
「店長は、いらっしゃいますか」
心臓が、ズキズキと痛み出す。
私と龍輝さんは、もう他人…。