【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
そして数分後、龍輝さんと新田くんが奥からやって来た。
「先輩、卒業したあとここで働くって本当ですか?」
「え? あっ、あー…うん、そうなれたらいいなぁ…と、ちょっとだけ思ってた」
「是非来てください。
先輩が来てくれたら、凄く嬉しいです。
あ、これ花の本なんですけど、先輩にあげます。
花言葉とかいっぱい載ってて、凄く楽しい本ですから」
「え…いいの?」
「俺はもう、全部頭に入ってますから。
あ、使い古しですみません。
あちこち書き込みとかも入ってますけど…、でも、役に立つと思います」
「…ありがとう」
カバーはボロボロに擦りきれ、あちこちに付箋が貼ってあり、所々汚れている古い本。
新田くんがずっとずっと大事にしてきた本なんだ…。
それをギュッと抱き締めながら、もう一度新田くんを見る。
「…本当に、ありがとう」
「いえ。あ、明日も仕事よろしくお願いします。
学校が終わったあと、ですよ?」
「…うん」
ありがとう、新田くん。
本当に本当に、ありがとう…。
何度も何度も心の中でお礼を言い、何度も何度も手を振りながらお店を出た。